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居心地のよさも含めた美味しさ 

2022.3.28

 彦根市をながれる芹川の土手斜面、リバーサイド橋本通り商店街。町家部分と増築された鉄筋コンクリートの部分からなる住居兼店舗を改修した、開放的な空間のなかで、お料理とお菓子を楽しむ居心地のよい時間が流れる。

 2022年に移転オープンした河原町の「イタリア食堂FUKUMOTO」と「菓子工房 フクモト」はシェフ福本健さんと奥様の愛さんが手掛けている。これまで別々の店舗で営業されており、お互い会話する時間がなかなか取れなかったという。
 健さんは「お菓子と料理、ふたりタッグを組んでいれば最強。ふたりでつくる店舗の空気感を大事にしたい。かっこつけた言い方ですけど、彼女の育った彦根で、彼女の両親が見ているなかで、彼女が光るように、僕自身お仕事することが親孝行だと思ってます。」と話し、愛さんは、「私は彼の料理の味への信頼があるので、お出しする料理に自信を持っている。同じ空間にいて、彼が料理する姿をそばで見られることは幸せだと思ってます。」と話す。

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 福本さんにとって、おいしい料理づくりと居心地の良い空間づくりはきっても切れない。20代の頃、飲食店の店舗開発業務も経験され、立地や建物にあったコンセプトやデザインなどを企画することが得意。その後30代で独立し、「イタリア食堂FUKUMOTO」をオープンさせ、現在では彦根を中心に滋賀県内に「菓子工房 フクモト」「フクモト アンド・ブラボー」「FUKUMOTO BROS」「Mr.CHIFFONCAKE」を経営されている。
 店舗をまかせられるスタッフが育ってきたこともあり、5~6年前から福本さんは、彦根の旧市街地を中心に、古民家を含めて100件以上の物件を内覧し、住居兼店舗として利用できる物件を探してきた。そして3年ほど前に、隣の空き物件が解体され更地となったことが決め手となり、現在の物件と隣の敷地を購入した。
 改修後の店舗のエントランスは、地下から屋根裏までが吹き抜けになっており、町家ならではの印象的な空間が出迎える。地下には芹川の増水対策と考えられる水路が走り、天井にはむき出しの大きな梁を見ることができる。1階には、お菓子のショーケースと8人ぐらいが食事できるカウンター、その奥には厨房がつづき、1.5階には事務所、2階は住居スペースといったスキップフロアだ。隣が駐車場になることで、風通しはよくなり、北からの光が白と木目を基調とした内装をやわらかく照らし、心地の良い空間になっている。

「イタリア食堂FUKUMOTO」「菓子工房 フクモト」には大きな看板がでておらず、車や自転車だと、通り過ぎてしまいそうになる。「愛想がないといわれればそうですが、看板を出さずに、ふらっと来た人がリピーターになって口コミで無理せず広めていけたらいい」と福本さん。同じ商店街にあるカーロアンジェロさんとは、マルシェなどの出店を通じて親交があり、一緒に彦根や商店街を盛り上げたいという話を以前からされていたそうだ。「町屋をつかって彦根が食で盛り上がってほしい。住んでいる人、特に学生や若い子においしいものを食べさせたい。住んでいるところがおしゃれだなと思ってもらえたら」と福本さんは話す。「まかせられる人がいてくれることが大前提ですが、市内複数の店舗で1日100人はお客さんに来てもらい、FUKUMOTOのファンを作ることで初めて、自分のしたいことの体制を整えることができる。」と更なる店舗展開への意気込みを語ってくださった。

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information

店舗:イタリア食堂FUKUMOTO/菓子工房フクモト

住所:〒522-0083 滋賀県彦根市河原2丁目1-19

TEL:イタリア食堂FUKUMOTO:電話なし
   菓子工房フクモト:0749-23-6760

HP:

イタリア食堂FUKUMOTO:11:00〜
     菓子工房フクモト:11:00~売り切れ次第終了

定休日:日曜日

※隣接駐車場あり

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